2018.06.18
No.15 ふじのくにの旬を食べ尽くす会inおんぱく 第四回
店に「○○さんが育てました」と、顔写真と共に食材が並んでいるのを最近よく見かけませんか?
安心だからとそういった食材を選ぶこともあるかもしれません。でも、もし実際に育てている人と話ができたら、もっと安心して食べることができる気がします。しかし、普段の生活の中で生産者に直接会う機会はありません。
そこで、生産者と消費者を、料理店を通じて繋ぐ活動をしているのが「ふじのくにの旬を食べ尽くす会(旬の会)」です。
静岡県内各地の店を会場に生産者をお招きして、県内の食好きが集まる交流会を開催しています。年間通じて開催されており、毎回キャンセル待ちが出るほどの大人気です。
藤枝おんぱくでは、特別版として生産の現場を訪問するツアーを期間中に全四回開催。
第四回目は、秋山牧場さん、アメーラトマトの工場、和楽たすくさんを訪問しました。
秋山牧場さんはしずおか和牛の畜産家。
女性目線での飼育のこだわりについてお話を聞き、お肉屋さんが持参したローストビーフをいただきます。
(お肉屋さんが最もおいしく食べられるように切ってくれます)
飼育する仔牛は沖縄まで出向いて、実際に顔を見て決めるそう。藤枝と沖縄は姉妹都市ですが、こんなところでも繋がりがあるんです。牧場のお姉さん方は、笑顔が素敵で、牛に愛情を注いでいるのだろうなあという印象。ちなみに、お父さんは新東名岡部の近くでもうもうバーベキューというものをやっているそう。
ちなみに、ヤギや馬、ウサギ、…クジャク!などいろいろな動物も牧場内にいました。牛舎は衛生管理上部外者は立ち入り禁止なので遠くから見学。
歩いて次の場所へ。美味しいものをより美味しく食べるために藤枝おんぱくの旬の会ではたくさん歩きます。
続いて、アメーラトマトの選果場の見学。
最新機器を使用して、トマトの糖度をしっかり計測。その一方で箱詰めは熟練のお母さん達の手で丁寧に。今や高糖度トマトの基準にもなっているそう。食べた瞬間、その甘さに驚いてほしいという思いで、今も糖度を高める研究を進めているそう。
(糖度を計測する機械の説明をしてくださいました)
最後は和楽たすくさんでの交流会。旬の回限定のオリジナルコースを一品一品お店の方が紹介してくれます。食材が決まっていて料理をするのは珍しいことですが、和食らしく素材の良さを生かして調理したと語ってくれました。
(わざわざカウンターから出て料理を出すたびに説明してくださいました)
今日一日一緒に回ってくれたお肉屋さん達の熱いトークを聞きながら、藤枝の食材をふんだんに使用した料理を、解説付きでいただく贅沢な時間。はじめておじゃましたお店ですが、まるで常連さんのような気分に浸れます。
(店の方と参加者は和気あいあいと話していました)
(お肉片手に解説するお肉屋さん)
旬の会では、生産者や店がこだわり、この金額に見合うと自信を持って提供するものに、参加者が納得してお金を支払います。
ただの売り手とお客様ではないフラットな関係性や、食に関心のある参加者同士のゆるやかな一体感が心地よい場を作りだしています。
作り手に会ってその食べ物の裏にある物語を聞けば、より味わい深くなる。
食べ物を作る人、料理する人、食べる人。それぞれが互いに知り合って、想い合っていけば、静岡の食を取り巻く環境自体がより良いものに変わっていくのでしょう。
買い物で食材を選ぶ時、少しだけその食材を作ってくれた人に想いを巡らせるだけでも、食べることに丁寧に向き合う事ができるようになる気がしました。