2018.06.18
No63 土塀(版築)創りワークショップ 土のやさしさに触れる
土の優しさに触れると共にその強固さを感じ、それに時間の経過をも作り出す技を経験したり、共同作業で感じる仲間意識まで手にする贅沢なプログラム。
古来より受け継がれてきた「版築」という技を使った「土主体の塀」を、土日2日間で創り上げました。
「…で、どこで、どのようにして、どんな感じのものを…?」
ここは蓮華寺池畔の「れんげじSOCO」。碧ペンキが渋みをより醸し出しているあの倉庫ギャラリーの入り口に、「版築土塀」をみんなで協力しあって作りました。
れんげじSOCO、完成した今回の「版築土塀」です。
1日目(土)灰色のポロシャツを着た案内人さん。
既に予定の場所に型枠が用意されていました。
案内人の「伊久美造園」伊久美和秀さんの概要説明で、土塀作りが始まりました。
土塀ですから主役は「土」、複数の土で模様を作ります。
1回分(バケツ2杯分)の土に、強固に固めるための材料(セメント、消石灰、塩化カルシウム等)を定量を配合しニガリも入れ、ミキサーで撹拌します。
配合された土を、型枠の中に…そしてそれを専用の工具で築き(突き)固めます。
1回目を終えたら、次の土を用意し型枠へ、そして築き固めます。参加者の方も意気が揚がり、頑張っています。この繰り返しです。
少し俯瞰して見ると、こんな感じで作業しています。
ここで少々、息のあがりを防ぐために日陰で休憩。「冷たいお茶が、美味い」。
型枠は、約150cmの高さまで追加されてゆきます(今は、途中の状態)。
参加者持ち帰り用の「版築レンガ(?)」をそれぞれで作成します。出来上がり模様を想定しながら小さめの工具で固めます。
型枠は指定の高さへ、版築作業も佳境に入ってきています。みなさんもますます力が入ります。
1日目はここまで来ました。土は予定の高さまで築き固められています。
リポート番外「この帽子、気に入りました!」
2日目(日)黒のポロシャツを着た案内人さん。
TVのインタビューも入りました。
1日目に作成した「版築レンガ」完成しました。予想を上回る出来です。
通り掛かったパラソルさんも見守り、「さあ…いよいよ」型枠を外し「版築土塀」が姿を現します。
設計図の地層イメージが実現された「版築土塀」、「時の堆積のビジュアル化」が表されていますね。
最終工程は、出来上がった土塀表面の余計なものを洗い流しお目見えとなります。
版築の工法は、万里の長城や法隆寺の土塀などに使用されたと伺いました。その歴史と共に、この自然由来の土を使った工法は、本来の固く強いといった基本に加え、適度な調湿、調温機能等も有り注目されて来ています。
「おんぱくの版築」は、今後幾年月(大袈裟ですが)に渡り多くの方に鑑賞していただいている構図が、「最終シーン」となります。
(はんだ むねお)