No.72 「棉」の種蒔きから始めて、楽しさを創る 「楽創」スローライフ入門

糸を紡ぐことは、人と人とのつながりを紡ぐこと。綿を植える所から、糸にするまでの過程を学ぶ。

大きな災害が起こって、食べるものも着るものも住むところもなくなってしまう…。あなたはそんな想像をしたことがありますか。

そんなときって、自分でどうにかできる問題じゃないしなぁ、と思うかもしれません。

このプログラムを主催している楽創倶楽部では、エネルギーがなくなっても自分の生活は自分で作れるように、様々な自然との共生体験をできる場を提供しているんです!

楽創倶楽部の青木さんは、知ることよりも実際にやってみて学ぶ事を大切にし、無理なく皆がやりたいことができる環境があることが大切なのだと言います。

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今回は生活に必要な「衣食住」のうち「衣」を中心にしたプログラムでした。

心地よい風の通る古民家を改装した建物を中心にして活動しました。青木さん手作りの家具等がたくさんある楽創倶楽部の建物はまるで秘密基地のよう。

長野から綿を育てている方も特別参加していました。

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まず、綿の説明を受け、綿の種を手で取ります。参加者みんなでおしゃべりしつつの和やかな雰囲気。

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十分綿と触れ合ったところで、外に出て30分ほど綿の種を植えます。

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ちなみに、椿の花はこの間隔で植えてくださいという目印です。なんか可愛いですね。

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種を植えている間にご飯の支度をしてくれていました。

今回は「食」についても考えて欲しいとのことで、このあたりで採れた食材を調理してくれました。

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メニューは、たけのこと、大根の青菜の混ぜご飯のおにぎり、手作りたくあん、ブロッコリーとトマトのサラダにヨモギのドレッシング、大豆ミート、おなます、ヨモギとスギキのお茶、手作り味噌の味噌汁。

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ターメリックで大根に色を付けて1日で即席たくあんが造れる等、様々な知恵を教えてもらいながら食事を味わいました。全て素材から手作りの、優しい味でした。

ちなみに、ご飯は青木さんが羽釜で炊いてくれました。炊飯器で炊いたご飯とは全く違う、もち米かと思うほどもっちりとして甘いご飯でした。

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参加者みんなで炊き立てを先に味見しちゃいました。

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食事のあとは綿の種取です。古い木製の道具を使って種をとります。機械でやると、面白いように速く、綺麗に種だけが取れます。

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その後はブラシで綿の塊をほぐす作業です。これをやるとふわふわになります。

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そのふわふわの綿をおもむろにつまんだかと思うと、スタッフさんが糸の手紡ぎをはじめました。

くるくると巻き付けてより合わせながら綿から糸が紡がれていく。綿から糸という別の者が造られていく様子は、なんだか不思議です。

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その後は糸車を使っての糸紡ぎ体験をして、その糸は楽創倶楽部に展示されている作品の一部になるとのことでした。

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レポーターは時間の関係で最後までいることはできませんでしたが、着るものを作る過程をこの1日でぎゅっと凝縮して体験することができました。もちろん、本当に着るものを作るためには、全ての工程でもっと時間も手間もかかります。

その一部をつまみ食いのように体験した今回のプログラムでした。

大量生産された服を着ているのは今の時代、当たり前の事かもしれません。しかし、本来は着るものを作るのにはこれだけの手間がかかる事を知ると、これからの生活での見方が変わりそうです。

楽創倶楽部では、やりたいことを各人がやる、というゆるやかさを大切に活動しているそうです。

今回のプログラム以外にも子供向けの体験活動なども行っているそうです。

藤枝の谷稲葉インターから車で数分。身近で自然に触れられる楽創倶楽部へ、あなたも行ってみてはいかがでしょうか?(白倉)

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https://shizuoka-onpaku.jp/fujieda/program/201822039804