2018.06.18
No.59 手縫いの難しさと価値を知る 前掛けやふんどしを縫ってみよう
和裁技能士の杉山さえ子さんによるプログラム。
手縫いの練習をしながら、前掛けを作ります。
前掛けとなる生地選びから作業開始。
遠州木綿の生地で、デザインや色合いが美しく、参加者のお2人ともしばらく悩まれていました。
生地を選び、参加者2名のうち1名は縦型の前掛け、1名は横型の前掛けを作ることに。
今回このプログラムを開催したさえ子さんは、昨今は裁縫をやる機会ややる人たち自体が減っているとのこと。そこで、くけ台、指ぬき、コテアイロンなどを使って手縫いの練習をしてもらい、練習をしていたら前掛けができちゃった!という気軽さで参加してもらいたかったと言います。そして、縫い物を好きになってほしいというのが一番の思い。
しかし、この日用意されていたくけ台や、指ぬき、コテアイロンなど、普段裁縫をやらなければ縁遠いものばかり。中でもくけ台は、「初めて見た!」という声があがり、「そもそも何に使うものですか」と参加者さん。…実は私もそう思ってました。
くけ台(↑)は、布を引っ掛けてピンと張らせるための道具で、座布団の下にさしこんで使うもの(写真左)と、裁ち台に付けて使う簡易的なもの(写真右)があります。
布が張れるので、くけ台を使わない状態と比べてかなり縫いやすくなるそうです。
他の道具もひとつひとつていねいに使い方を説明いただきました。
いざ縫い始めますが、使い慣れていない道具と、針の持ち方で最初は苦労していた参加者さん。ひと針ひと針時間をかけながら縫っていきます。
ちなみに、何十年とこの仕事をされているさえ子さんは、「着物はいかに速く縫うか」だそうで、ゆかたなら1日で作り上げるそうです。もちろん全て手縫いです。動画がないのが残念ですが、たしかに、縫うペースがとにかく早い。ミシンより早いかも!と大げさじゃなくて思います。
参加者さんも縫い進めるうちに慣れてきたのか、手際よくきれいに前掛けができあがっていきます。
2時間という作業時間では完成はしなかったですが、参加者さんは「家に帰ったらすぐに続きをやります!」と和裁の魅力にハマっていたようです。
また「昨年も行きたかったけれど参加できなくて、今年はやっと参加できました。和裁を教えてもらえる機会があってよかったです」と参加者さん。
こちらのプログラムは5月12日にも行なわれますが、すでに満員となっています。また開催の機会がありましたら、ぜひご参加ください。(やまだ)